昔は、ちょっと風邪を引いても、
すぐに病院へ行って薬をもらっていましたが、
最近は いろいろな情報が公開 されるようになり、
また個人個人が 知識を得るようになって 、
すぐに「医者で薬」とはならなくなってきました。

薬の代わりに漢方薬 を出す医者も増えてきたようで、
漢方薬も ずいぶんと身近 になってきたように思います。

「 麻黄湯 」や「 葛根湯 」は、
昔からよく聞く名前ですが、
最近は、妊婦さんや子供にも出される漢方薬のようです。

薬ではないけれど、
実際のところ、
漢方薬ってどんなふうに理解すればいいのかな・・・
と、ちょっと調べてみることにしました。

＜麻黄湯ってどんなもの？＞

風邪やインフルエンザの初期 に出される、
もっとも身近な漢方薬のひとつです。
外見は イグサのような植物 で、
それを乾燥させて生薬として使用されます。

薬効成分やその効能は？

主要な有効成分は エフェドリン 。
エフェドリンは、
交感神経興奮作用・中枢興奮作用などが認められていますが、
この薬効を希釈して一般医薬品としても販売されています。
この特徴を活かし、
気管支炎や気管支喘息、
アレルギー性鼻炎や夜尿症などにも処方されます。
風邪の初期症状である、
頭痛や発熱、咳、悪寒などにも効果があるとされています。
また 抗ウィルス薬のタミフルと同様の効果 があるとされ、
初期のインフルエンザの治療 にも広く使われています。

麻黄湯を処方する場合に気を付けられているのは「 汗 」に関して。
汗をかけずに熱が体内にこもるような症状のときに対して、発汗作用を促進するために使われると有効ですが、すでに汗をたくさん書いている場合に麻黄湯を服用すると、 逆に発汗過多になる恐れ があり、症状を悪化させてしまうことがあるので要注意です。

主に体力がある人に使われる漢方薬なので、 高齢者や子供、病み上がりや虚弱体質の人たちには向きません 。

＜葛根湯ってどんなもの？＞

主に桂枝湯という漢方から抽出された薬で、
桂枝湯には発汗作用があります。
しかし、この作用が弱いため、
そこに 発汗作用が強い麻黄成分が入ったものが葛根湯 。
鎮静作用が強い ことから、
肩や首の凝りなどの緩和 に多く使われています。
また、麻黄湯のように、
風邪の初期症状にも効果があるとされており、
悪寒や発熱、頭痛などの症状にも処方されます。
風邪の引きかけに起こりやすい、
首筋や肩の張り、筋肉痛などにも効果があるとされています。

基本的には葛根湯にも発汗作用が強い麻黄湯が入っているので、
汗をかいている場合には避けた方がいい でしょう。

＜妊婦さんでもダイジョウブ？＞

お腹に大切な赤ちゃん を抱えた妊婦さんには、
何かと 薬の制限 があります。
そんなとき、麻黄湯や葛根湯は漢方として処方されることが増えてきました。
「漢方だから安心なの」とよく聞くようになりました。

形状としては、
顆粒・液体・錠剤などいろいろな種類があります。
病院から処方されているものと同じ名前で、
薬局でも買うことができます。

医者からも処方されるので、
基本的にはそれほど心配はない ようですが、
それでもやはり 赤ちゃんのことを考えると慎重にしたい ところです。
医者からの処方なら保険も効きますし、
やはり大事をとって病院から処方を受けたほうが、
気持ちとしては安心 かと思います。

＜漢方薬とは言えども乱用は避けましょう！＞

ココでご紹介した 麻黄湯 や 葛根湯 は、
一般医薬品として市販されたり、
妊婦さんにも処方されたりと、
安心な漢方薬 です。
しかし 主成分がエフェドリン ということを考えると、
神経が興奮したり発汗したり・・・と、
そうそう 侮れるものでもなさそう です。
スポーツ選手がこれらを服用すると、
ドーピング検査に引っかかる ことがあります。
これは主成分のエフェドリンのため。
そう考えると、やはり漢方とは言えども、
胎児への影響 などを考えると、
多量の服用は避けた方がいいように思います。
少しでも不安があるときには、
しっかりと気持ちを伝えて、
納得がいくまで担当医に相談 しましょう。
自己判断で市販薬を勝手に服用することが、
一番危険をともなう行為です。

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